公認会計士の年収~公認会計士の魅力

公認会計士の年収~公認会計士の魅力 転職のノウハウ

※この記事にはプロモーションが含まれています。

会計士というとAIに代替される可能性が高い職業として挙げられることも多く、公認会計士試験の受験者数は減少傾向にあります。

もちろん年収以外にも魅力がありますが、今回は、公認会計士の年収面の魅力について書きました。
会計士の方は、周りの同年代がどの程度稼いでいるのか相場を知るという意味で活用してください。

ネット上には、公認会計士の年収として様々なものが出ていますが、平成29年賃金構造基本統計調査で公認会計士、税理士の平均年収が算出されています。
政府が出しているのである程度は信頼性があるソースになりますので、データを元にみていきましょう。これによると公認会計士・税理士の平均年収(男女計)は、以下のようになっています。
組織別、男女別、年齢別の切り口でみていきましょう。

組織規模別公認会計士の年収

全体 1,000人以上 100人
~999人
10人
~99人
所定内給与額 61.7万 70.9万 43.2万 39.6万
残業手当等 7.5万 7.9万 14.1万 1.8万
月収 69.2万 78.8万 57.2万 41.4万
賞与等 212.3万 254.6万 126.7万 110.9万
平均年収 1,042.5万 1,200.5万 813.3万 607.3万
平均年齢 40.7 40.3 38.3 43.9
勤続年数 11.7 13.6 4.3 9.0
残業時間 22 23 43 8
サンプル人数 1878 1301 221 356
構成比 100% 69% 12% 19%
上記作成の前提:
月収は、きまって支給する現金給与額より算出し、残業手当等は、所定内給与額ときまって支給する現金給与額より算出しています。
又、平均年収はきまって支給する現金給与額に12カ月を乗じ、賞与を足すことで算出しています。
そのため、対象月の季節性を受けている可能性があります。
会計士の場合は決算期の4月、5月の月収が残業代により多くなるので、高めに出る可能性があります。

公認会計士・税理士の平均年収全体だと1,042万、1,000人以上の大手監査法人や大手企業に勤める会計士に限定すると1,200万と高収入といえると思います。
又、1,000人以上の組織(大手監査法人又は大手企業)に勤める方が全体の約7割とマジョリティを占めています。

一方で100人~999人の組織に限定すると平均年収が813万と大きく低下しています。
これは公認会計士と税理士の年収差によるものではないかと思います。
EY監査法人の従業員数は5,000人を超える組織ですが、EY税理士法人は600人~700人程度の組織です。又、独立系の税理士法人も、大手であっても数百人程度の組織です。
勤務税理士の多くがこの組織に属しているため、これほどの大手と中堅で収入差が出ているのではないかと推測しています。
やはり企業勤めの場合は、給料は扱う案件の大きさに比例するのはどの業界でも同様のようです。
99人以下の組織については、平均年収は607万と大きく下がってしまいます。
これは大手監査法人だと2年目~4年目ぐらいの年収であり、やはり税理士の方の影響がありそうです。
又、残業時間をみても中堅が大手の2倍近くとやはり大手の方が労働環境は良さそうです。
中小に転職する場合はポジションを上げるか、やりがいを求めての転職、独立を見据えての転職でしょう。

男女別公認会計士の年収

続いて男性、女性別の年収の全体的にみてみましょう。

全体 男性 女性
所定内給与額 61.7万 60.48万 64.53万
残業手当等 7.5万 7.86万 6.6万
月収 69.2万 68.3万 71.1万
賞与等 212.3万 221.7万 191.1万
平均年収 1042.5万 1041.8万 1044.2万
平均年齢 40.7 40.3 41.7
勤続年数 11.7 11.3 12.5
残業時間 22 24 20
人数 1878 1302 576
構成比 100% 69% 31%

上記から見て取れることは、男性と女性で収入にほんとど差がないということと勤続年数はむしろ女性の方が長いということです。
結婚した後も働きつづけたいという女性には大手で産休後も最前線でというのは難しいかもしれませんが、監査非常勤中小監査法人での時短勤務、事業会社経理等時間の都合がつく職場はいくらでもありますのでおすすめの職業といえるかと思います。

公認会計士の年齢別年収

年齢別、男女別に年齢ごとの会計士の平均年収をみていきましょう。
年齢別に年収をみていき、簡単な考察を加えています。
便宜的に1,000人以上の組織を大手、999人以下を中堅、99人以下を小規模と表記しております。

男性会計士の年収

・25 ~ 29歳の年収

全体 大手 中堅 小規模
所定内給与額 39.6万 41.5万 37.3万 26.3万
残業手当等 20.0万 21.9万 22.1万 2.0万
月収 59.6万 63.4万 59.4万 28.3万
賞与等 166.1万 183.7万 133.4万 59.7万
平均年収 880.8万 945.0万 845.6万 399.6万
勤続年数 5.4 5.8 4.5 2.9
残業時間 59 63 73 11
人数 183 145 20 18
構成比 100% 79% 11% 10%

20代後半で平均年収は880万、大手に限ると945万と高い年収となっています。
残業時間をみると全体で59時間、大手で63時間とかなり残業が多いのが特徴です。
又、大手が約8割とファーストキャリアは大手が多いのが特徴です。

・30 ~ 34歳の年収

全体 大手 中堅 小規模
所定内給与額 40.4万 38.6万 41.5万 45.6万
残業手当等 14.7万 17.1万 18.4万 2.4万
月収 55.1万 55.6万 59.9万 47.9万
賞与等 161.1万 188.5万 128.1万 100.2万
平均年収 821.7万 856.0万 847.3万 675.3万
勤続年数 5.8 6.2 4.8 5.4
残業時間 44 48 60 10
人数 252 159 48 46
構成比 100% 63% 19% 18%

全体の平均年収は、821万、大手に限定しても856万と減少しています。
又、大手の割合が約6割と上がっています。これは、大手から中小(コンサルやFASも含む)への転職が増えたのと、この年齢層はちょうど大量合格世代であり、大手以外へ行く人や事業会社に行く人が比較的多かったのも関係しているかなと思います。

・35 ~ 39歳の年収

全体 大手 中堅 小規模
所定内給与額 43.3万 46.6万 42.9万 34.1万
残業手当等 6.2万 5.1万 14.5万 2.7万
月収 49.5万 51.6万 57.5万 36.8万
賞与等 223.0万 277.9万 113.2万 156.3万
平均年収 816.6万 897.1万 802.7万 598.1万
勤続年数 8.2 9.6 4.4 7.2
残業時間 20 16 37 17
人数 180 110 31 39
構成比 100% 61% 17% 22%

年収面では816万と20代より減少していますが、残業時間をみると20代が60時間程度だったのに対して20時間と減少しています。
これには、単純に残業が減ったというよりも残業代がつかない管理職になった人が増えてきたこと、事業会社への転職が増えてきたことが関係しているかと思います。

・40 ~ 44歳の年収

全体 大手 中堅 小規模
所定内給与額 61.0万 65.1万 52.7万 43.0万
残業手当等 3.7万 1.7万 18.0万 2.0万
月収 64.7万 66.8万 70.7万 45.0万
賞与等 311.8万 360.1万 173.4万 146.3万
平均年収 1088.0万 1161.6万 1022.1万 686.3万
勤続年数 13.5 15.2 7.3 9.4
残業時間 12 7 49 7
人数 326 247 40 39
構成比 100% 76% 12% 12%

40代になると全体で1,088万、大手で1,161万と上昇に転じます。
大手だとシニアマネージャーか、早い人だとパートナーになっている年代なので全体を押し上げているのではないでしょうか。

・45 ~ 49歳の年収

全体 大手 中堅 小規模
所定内給与額 73.8万 82.9万 48.8万 46.7万
残業手当等 1.9万 1.0万 7.4万 1.4万
月収 75.6万 83.9万 56.1万 48.2万
賞与等 256.2万 283.4万 166.1万 190.0万
平均年収 1163.5万 1290.5万 839.8万 767.8万
勤続年数 15.3 18 1.5 13
残業時間 5 2 20 4
人数 164 121 20 23
構成比 100% 74% 12% 14%

40代になると全体で1,163万、大手で1,290万とジワジワと上昇していきます。

・50 ~ 54歳の年収

全体 大手 中堅 小規模
所定内給与額 148.4万 181.5万 NA 56.9万
残業手当等 1.8万 0.0 NA 6.7万
月収 150.1万 181.5万 NA 63.6万
賞与等 310.0万 330.5万 NA 253.6万
平均年収 2111.4万 2508.1万 NA 1016.6万
勤続年数 26.6 28.6 NA 21
残業時間 5 0 NA 20
人数 75 55 NA 20
構成比 100% 73% NA 27%

50 ~ 54歳は、世代的には多くがパートナーになれた時代であり、40代の年収の2倍程度となっています。今後は、この年収水準は維持されないのではないかと思います。
大手の平均年収は2,500万程となっており、監査法人のパートナーの年収は中々出てきませんが、これが監査法人のシニアパートナーの平均水準でしょう。

又、サンプルの問題かもしれませんが、中堅の規模のデータがない点が興味深いところです。

・55 ~ 59歳の年収

全体 大手 中堅 小規模
所定内給与額 108.9万 175.6万 59.7万 53.9万
残業手当等 0.3 0.0 0.2万 0.6万
月収 109.2万 175.6万 59.8万 54.5万
賞与等 117.8万 170.0万 171.5万 48.2万
平均年収 1428.1万 2277.6万 889.3万 701.9万
勤続年数 19.6 29.3 1.5 14.9
残業時間 1 0 1 3
人数 81 36 10 35
構成比 100% 44% 12% 43%

55 ~ 59歳の層になると全体の平均は1,400万程と大きく下がっております。
事業会社だと役職定年がある会社が多い一方、監査法人は共同経営者という位置づけなので待遇は維持されると想定していたので、これは正直意外な結果です。

大手の比率が50 ~ 54歳の層が7割だったのに対して、55 ~ 59歳は4割程度に下がっていることに注目するとこれは大手でリストラが行われた結果、中堅や小規模に流れたのではないかと推測します。
その結果、全体の水準が押し下げられたのではないでしょうか。

女性会計士の年収

・25 ~ 29歳の年収

全体 大手 中堅 小規模
所定内給与額 31.8万 31.3万 40.3万 22.4万
残業手当等 14.2万 17.1万 10.3万 3.1万
月収 46.0万 48.4万 50.5万 25.5
賞与等 118.3 160.9 0.0 47.7
平均年収 669.8万 741.5万 606.5万 353.9万
勤続年数 3.6 4.4 0.5 4.1
残業時間 50 60 34 21
人数 56 39 10 7
構成比 100% 70% 18% 13%

男性が平均年収は880万、大手に限ると945万となっていたのに対して、女性は669万、大手に限定しても741万となっています。

残業時間をみても大差がないので、不思議ではありますが、勤続年数をみるとヒントがありました。男性が同年代が勤続年数5.4年に対して、女性が3.6年となっています。
ちょうどシニアになるのが、4年目あたりなので、この差が生じているのではないでしょうか。
勤続年数に差が出ているのは、男性の方が合格時の年齢が若いか、女性が就職後産休等に入る等の仮説が考えられます。

又、中堅の月収が大手よりも高くなっていたので、何かあるのかなと思ったのですが、賞与が0となっています。勤続年数からみてもこれは中小の非常勤の監査をやっているものと推測します。
このように少し数字の背景がみえると少し面白いですね。
・30 ~ 34歳の年収

全体 大手 中堅 小規模
所定内給与額 31.2 32.1 29.9 29.2
残業手当等 10.9 13.9 11.0 0.8
月収 42.0 46.0 40.9 30.0
賞与等 115.8 125.8 103.4 95.2
平均年収 620.3 677.9 594.6 455.2
勤続年数 4.8 5.2 3.5 4.8
残業時間 37 48 36 4
人数 78 49 15 15
構成比 100% 63% 19% 19%

30 ~ 34歳の年収も男性(平均年収は、821万、大手856万)に比較して低めになっています。
産休に入ったり、ワークライフバランスを求めて事業会社へ転職する方が多いからでしょうか。

・35 ~ 39歳の年収

全体 大手 中堅 小規模
所定内給与額 52.3 60.3 NA 39.7
残業手当等 21.0 34.4 NA 0.1
月収 73.3 94.7 NA 39.8
賞与等 145.0 188.7 NA 76.4
平均年収 1024.8 1325.0 NA 554.3
勤続年数 9.7 11.9 NA 6.2
残業時間 51 83 NA 0
人数 43 27 NA 17
構成比 100% 63% NA 40%

35 ~ 39歳になると男性(平均816万)を逆転します。
大手が1,300万となっており、この年代になるとバリバリ働く方しか残れないからでしょうか。
男性の大手同年代の残業時間が16時間に対して、女性は83時間と異常値になっています。
一体何が起こっているのでしょうか(笑)

・40 ~ 44歳の年収

全体 大手 中堅 小規模
所定内給与額 59.2 66.0 37.1 28.3
残業手当等 2.9 2.9 8.4 1.3
月収 62.1 68.8 45.5 29.6
賞与等 248.1 280.1 140.5 103.2
平均年収 992.7 1105.7 686.7 458.8
勤続年数 13.3 15.2 7.5 4.6
残業時間 7 6 27 8
人数 218 176 10 32
構成比 100% 81% 5% 15%

40 ~ 44歳の年収は男性より低下します。男性と女性でピークに差があるのが面白いです。

・45 ~ 49歳の年収

全体 大手 中堅 小規模
所定内給与額 89.8 97.4 40.6 26.8
残業手当等 5.6 6.0 7.9 0.4
月収 95.4 103.3 48.5 27.2
賞与等 184.9 203.0 0.0 73.6
平均年収 1329.8 1443.1 581.9 399.7
勤続年数 19.8 21.4 1.5 11.3
残業時間 13 13 20 1
人数 83 73 4 6
構成比 100% 88% 5% 7%

45 ~ 49歳の年収は再び上昇に転じています。男性に比べるとやや高いです。

・50 ~ 54歳の年収

全体 大手 中堅 小規模
所定内給与額 108.0 165.8 31.8 30.7
残業手当等 1.6 0.0 6.4 1.8
月収 109.6 165.8 38.2 32.5
賞与等 218.7 322.4 42.8 108.2
平均年収 1533.6 2312.4 500.8 497.8
勤続年数 15 22 1.6 8.7
残業時間 7 0 32 5
人数 63 36 11 16
構成比 100% 57% 17% 25%

女性の50 ~ 54歳の年収は、男性(2,111万)と比べると低くなっていますが、大手に限定すると大きな差はありません。中堅や小規模の組織でワークライフバランス重視で働いている方がおおいからではないかと推測します。

このようなライフスタイルの変化に合わせた働き方ができるのも会計士の魅力です。

・55 ~ 59歳の年収

全体 大手 中堅 小規模
所定内給与額 156.9 173.8 NA 40.5
残業手当等 0.0 0.0 NA 0.0
月収 156.9 173.8 NA 40.5
賞与等 206.6 175.0 NA 425.0
平均年収 2089.7 2260.0 NA 911.0
勤続年数 26 27.5 NA 16
残業時間 0 0 NA 0
人数 21 18 NA 3
構成比 100% 86% NA 14%

55 ~ 59歳の年収は男性(1,428万)と比べると高くなっています。
母集団が少ないのでなんともいえませんが、昨今の女性の社会進出の動きもあり、女性はリストラを免れたのではないかと推測します。

まとめ

以上、統計データをもとに公認会計士の年収の年収をみてきました。
上場企業の平均年収が599万であることを考えると、1,000万を超える平均年収であり、高収入といってもいい給料だと思います。
公認会計士の受験者数も減少傾向にありますが、給与に魅力を感じてでも初めは全く問題ないと思います。少しでも公認会計士を目指す方が増えてくれればと思います。

公認会計士を目指すのであれば、公認会計士予備校の活用がほぼ必須です。

公認会計士の予備校の比較をしているので、参考にしてください。

コメント