公認会計士の転職活動~面接対策とよくある質問例

転職のノウハウ

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書類選考を無事通過した後は、面接となります。
新卒での就活を経験せずに監査法人に就職した方も多いのではないかと思いますので、面接に慣れていない方も多いのではないかと思います。
今回は、公認会計士の転職活動の面接の形態と対策、面接でされる質問について取り上げます。

面接形態

監査法人の中途の採用面接の場合は、2次面接か多くとも3次面接までの場合がほとんどです。
一次が現場部門のマネージャークラス、2次がパートナー、3次がある場合は、2次とは別のパートナー(人事担当パートナー等)が面接官となる場合が多いです。
事業会社の経理の転職の場合は、一次が現場の課長クラス、2次が人事部長クラス、3次は役員クラスが面接官となる場合が多いです。もちろん企業によって異なり、面接が1回しかない会社、5回程ある会社もありました。
外資系の場合で、英文レジュメの提出が求めらている会社の場合は、2次や3次面接がHQとの英語でのインタビュー形式で行われることもあります。

オファー面談

採用が決まった後は、オファー面談といわれる条件提示の面談が行われます。
オファー面談は、入社時における年収の金額(基本給、ボーナス、手当の内訳)の提示や人事制度、福利厚生の説明の場となります。ただ、この場で条件を詰めるというよりもエージェントを通して事前の希望額が採用側に伝えられており、きちんとしたエージェントであれば、この段階でサプライズがあるケースは少ないです。
私の場合は、最低希望額と希望額の両方を事前に伝えており、採用側でいくらを提示するかある程度予想がついた上で、オファー面談に臨んでいるので、どちらかというと面接では聞きにくかったことを確認する場として利用しています。
そのため、通常の面接では、福利厚生等細かい条件面はあまり聞く必要がないといえます。
質が低いエージェントの中には、本人が譲れない最低希望額が先方に適切に伝えておらず、内定を得られたものの、報酬面で断るケースもあります。
そのようなエージェントとは、縁を切った方がいいでしょう。

面接対策とよくある質問

会計士の転職活動における面接に限った話ではないですが、必ず質問として受けるのが、
・今回、なぜ転職をしようと考えたのか
・複数回転職している場合は、その転職理由
・当社に転職したい理由は?今後何をしたいのか
は必ず聞かれます。
面接側としては、なぜ転職理由を聞くことで一貫性があるか、当社で何をしたいか確認することで、活躍してくれそうな人材か、入社した場合に、長期的に働いてくれるかを確認したいために
上記の質問をしているわけです。
相手の企業が求めていることに対して、どのような価値を提供できるかを意識して、自分の強みは何かを事前に整理しておく必要があります。
就職活動では自己分析といわれていますが、それほど難しく考える必要はありません。

具体的には、紙に以下の事項を書き出しておくとキャリアの整理にもなりますし、どのような面接にも応用することができます。

・自己紹介、職務経歴について、その中で強みとなる経験、スキル
・なぜ転職するのか
・なぜその職種、企業を志望するのか
・その企業・職務で活かせる自分の強み
・マネジメント経験の有無、マネジメント人数
・その企業での業務について、得られる経験
・入社後に希望するキャリアと10年後のキャリアイメージと収入イメージ

上記について、なぜを2、3回繰り返し、深堀していくことが重要です。
面接でもなぜと繰り返し角度を変えて質問をしてきます。

実際に聞かれたことがある質問事例

下記3つの事項はどの企業でも繰り返し確認された事項です。
なぜを3回程繰り返して深堀りしておいた方がいいでしょう。

①今回、なぜ転職をしようと考えたのか
②複数回転職している場合は、その転職理由
③当社に転職したい理由は?今後何をしたいのか
①今回、なぜ転職をしようと考えたのかに関しては、例え給与を上げたい、ワークライフバランスを向上させたいとしてもそれを全面に押し出すのではなく、専門分野を極めたい、ある分野の経験を積みたいといったポジティブな理由をあげた方が好ましいでしょう。
キャリアの専門性を高めたい等のその会社をあえて選ぶ理由が挙げられればベストです。
②過去に転職した理由も聞かれることが多いですが、ヘッドハントされたから、先輩から誘われたからといった理由は、きっかけはそうなのかもしれませんが、転職理由としては弱く、本当に志望しているのか、人に流されて転職した自分で意思決定できないと思われてしまう可能性もあります。
人に誘われたからということがきっかけであってもなぜあなたがそのような意思決定をしたのか面接官は聞きたいのです。
キャリアとして一貫性があった方が、説得力を持たせることができます。
③の当社に転職したい理由については、なぜこの仕事、業界、職場でなければならないのが明示するのがポイントです。
今後のキャリアプランを伝える際にも、自分が将来の目標に向かうためのキャリアとして今回の求人に応募したということを示しましょう。
ただ、単にステップアップの一つだと捉えられてしまうと入社後更にステップアップを目指して転職してしまうと思われないように、あくまでその後のキャリアをその企業内で実現可能なものとして示した方が好ましいでしょう。
それってうちじゃなくてもできるよねというつっこみはありえますが、そこに対しての受け答えをみたいだけで、本当にその会社じゃなければできないということはめったにないことは面接官も理解しているので、大人の対応を心がけましょう。

その他、面接を受けるたびに聞かれた事項をメモしていたのですが、
・なぜ公認会計士を目指したのか
・なぜその大学に入学したのか
・現職までの職務内容の要点
・これまでの仕事で得たことと、当社に入社した場合どのように活かされるか
・仕事を進めるうえでのモットーは何か
・監査法人の中で、クライアントと衝突した具体例、それをどのように解決したのか
・入社後、5年後、10年後にどのような仕事をしていたいのか
・強みと弱み
・いつから入社可能か
・他社の選考状況
といった事項がよく質問されます。

逆質問について

なお、最後には必ず何か質問がありますかと聞かれます。いわゆる逆質問です。
特に一次面接の段階で、処遇面についての細かい質問は面接官の心証を相当悪くします。
上記でも触れたように、最終面接を通過して、オファーをもらった後に納得いくまで細かい質問ができますので、避けた方がよいでしょう。

又、質問は特にありませんというのも、面接官に会社や職場のことを聞けるチャンスなのに何もありませんというのは、会社に興味がありませんといっているようなものです。

最低限3つは用意しておいた方がいいでしょう。
面接の話の流れで、事前に用意していた質問に触れられてしまうこともあるので、余裕をもって5つ程度用意しておいた方が望ましいです。
例えば、職場の年齢構成や役職者の数、ローテーションの有無、長期的なキャリア等参考になることはたくさんあるはずです。
例えば、経理から経営企画に異動したいと考えているのであれば、そのようなケースはありますか、どのようなバックグラウンドの方ですかといったように深堀りしていくとよいでしょう。
相手側にも将来の長期的な就業イメージを持たせることになり、自己PRにもつながります。

又、転職してからミスマッチを起こさないために
・どのような人物を求めていてどのような活躍を期待しているのか
・自分と同様に中途で入った方は、今どのような部署を経て、どのような業務をしているのか
を聞いてみて、自分が活躍しているイメージが持てるか確認しましょう。
特に他に社内に会計士がいて、どのような業務を担当しているのか知ることで、自分と同様のバックグラウンドの方のキャリアをより具体的にイメージすることができ、ある程度ミスマッチを防ぐことができます。

面接の受け答えのコツ

相手の質問の意図を汲み、回答する

基本中の基本ですが、相手の質問に対して答えていない方が多いように思います。
例えば、「あなたは当社に入社して何ができますか」と経理のポジションに応募している方に対して質問している場合は、当然経理職として何ができますかと聞いているわけです。
それに対して、監査経験のみの会計士がこれまでの自分の経歴を語って監査ができますと答えても、それに対して回答をしていることにはならないのです。
経理経験がないものの、監査の視点から決算前に論点を整理して監査対応をスムーズに行えたり、IFRS導入の際にはIFRSアドバイザリーの経験があるので、監査法人との橋渡し役になってスムーズな導入が行える、社内研修で会計基準の講師をやっていた経験があるので、グループ会社や経理内でレベルアップのための研修を行えるといった会計士ならではの価値を自己PRできればよいわけです。

面接は、自分がしたいことを一方的に話す場ではなく、相手の要求・質問に対して自分ができることをPRする場です。
独りよがりな回答になっていないか、相手の質問に適切に答えているかしゃべりながら考えてみましょう。
面接に慣れていないと緊張しているため、早口になりがちですが、考えを整理するためにも意識的にゆっくりとしゃべってみるのもおすすめです。
早口になるほど相手にとって聞き取りずらいだけでなく、次に話を考えている余裕がなくなり、自分で自分の首を絞めていることになります。

具体的事例を交えてしゃべる

特に監査経験がない方が面接官の時に意識してほしいのですが、監査特有の用語や抽象的な表現は、相手が理解していないこともあります。
相手が具体的なイメージを抱くことができるように具体的に話をしたいものです。
金商法に基づく会計監査業務経験といっても、監査法人勤務の会計士であれば、だれでも経験があることです。その中でどのような役割を担い、どのような業務を担当したのかがわかるようにしゃべるとよいでしょう。監査業務で挙げた成果をしゃべるのは、難しいと思いますが、例えば、手続きを見直して業務改善をした、クライアントの業務のやり方について提案をした、クライアントの相談に応じてまず自分に真っ先に相談されるようになった等でもいいので、具体的なエピソードを語れるとよいでしょう。
マネジメント経験についても具体的にどの程度の人数をマネジメントして、クライアント企業がどの程度の規模だったのかがわかるとよいでしょう。

自分の中の回答に一貫性を保つ

面接は一度きりではなく、同じ内容の質問が繰り返えされることが多いです。
1次面接で聞いたことが2次面接では角度を変えて質問されることも多いです。
採用側は、1次面接の内容が社内で共有した上で2次面接を行うのが通常ですので、回答内容にブレがあると主張があいまい、その場しのぎのことをいっているのではないかと思われてしまいます。面接が終わった後に簡単にやりとりをメモに残しておくと次の面接や他社の面接にも生かすことができます。
1次面接と同じ面接官が2次も同席だけするようなケースもあるので、同じような質問をされたときによりアピールが足りなかった部分を補足しながら説明をすることができます。

まとめ

面接対策といっても回答を暗記していくような必要はなく、なぜ転職をするのか、なぜ当社なのかについて深堀りしていき、回数を重ねていくことで自然に回答がでてくるようになります。

面接に慣れていない方は、エージェントで面接対策を実施してくれるエージェントもありますので、会計士専門のエージェントを活用するとよいでしょう。

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