中小監査法人に就職・転職するメリットとデメリットをまとめてみたよ

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準大手・中小監査法人/中堅監査法人の一覧、中小監査法人へ就職・転職するメリット・デメリット、給料をまとめてみました。
中堅監査法人から大手監査法人への転職を目指す方や、大手監査法人から中堅監査法人への転職を目指す方、新卒で中堅監査法人に就職する方の参考にしていただければ幸いです。

準大手・中小監査法人の一覧

主な準大手・中小監査法人は以下の通りです。

※各法人2019年6月期(一部決算期異なるもの有)業務及び財産の状況に関する説明書類に基づき作成

中小監査法人といっても準大手といえる規模の法人から、中小規模の法人まで様々です。
公認会計士・監査審査会公表の資料では、「大手監査法人」「準大手監査法人」「中小規模監査事務所」という区分で分けています。
準大手監査法人は、大手監査法人に準ずる規模の監査法人を指すとされ、太陽有限責任監査法人、PwC京都監査法人、東陽監査法人、仰星監査法人、三優監査法人を指すとされています。
準大手の中でも太陽監査法人が同じく準大手の優成監査法人と合併したことにより、頭一つとびぬけています。
京都監査法人は、準大手の中でもクライアントの質でみると優良な法人です。
その他、1社あたりの報酬をみると各法人ごとに特徴があり、面白いですね。

中小監査法人に就職するメリット

幅広い経験を積める

大手は別会社でFASをやっており、大手は監査部門に配属となるとほぼ監査が主な仕事となります。又、大手企業に割り当てられると下積みの期間が長くなり、グローバルの監査システムの入力や調書登録等単純な業務をやる期間が長くなり、経験が積めない可能性があります。(大手とその子会社も併せて割り当てられる場合は、その限りではなく、親会社であるべき統制を学び、子会社でその知識を還元するという理想的な働き方ができると思います。)

一方、中堅監査法人は幅広い仕事を経験できるというメリットがあります。

実際に太陽監査法人では、部門が分かれていないので上場監査、パブリック、IPO,アドバイザリーを同時にできるとのことです。

早くから経験を積める

又、クライアントも小規模クライアントが多く、人も少ないので、早くから主査を任されるチャンスがあります。
補習所の同期に聞いた話によると中堅監査法人では、入社2年目で小規模クライアントの現場責任者として活躍している人もいました。

小規模なクライアントであっても監査計画から監査終了の報告会まで、一連の流れを経験することができ、成長のスピードも速く、市場価値も高まるはずです。

中小監査法人に就職するデメリット

給与は大手より劣るケースが多い

まず給与面です。大手と同水準の法人もありますが、多くは福利厚生等も含めると待遇面で劣ることが多いです。
監査は、専門性により高単価が望めるとはいえ、基本的には単価×稼働時間できまる労働集約型のビジネスです。
ブランド力が高く、クライアントの規模が大きいため、高単価が望める大手の方が給与が多く払えるのは、当然といえば当然でしょう。

中小で大手よりも払える会社は、特徴的な領域に特化しているか、アップオアアウトを徹底して、優秀層に多く配分するような方針の事務所しかないように思います。

大手のブランド力

次の転職をする際のブランド力というのもあります。

もし転職したい先が大手企業の場合ははじめのキャリアはBig4の方がいいかもしれません。
特に外資の場合には、本国の上司もBig4出身だったりすることも多いので、Big4のネームバリューは大きいです。

Big4出身かどうかというのは書類選考の段階や最後に決める際に効いてきますので、もし将来的に外資や大手企業へ転職を考えているという方は考慮するとよいでしょう。

監査マニュアルや研修、監査品質

又、監査をずっとやっていきたい場合も最初は大手の方がいいかと思います。

大手は監査マニュアルが整備されておりますし、研修も充実しています。
大手であるべき手続きを学んでから、時間・報酬との兼ね合いで削っていくのと、最初からShould beを知らず、削った手続きをするのは違います。
ファーストキャリアは大手をおすすめします。
中小監査法人も大手の最新の状況が知りたくて大手出身者を採用しています。

もちろんキチンと監査をやっている中堅監査法人も多いですが、その見極めは外部からは難しいので、正しい監査のやり方を学ぶにはまず大手が間違いがないでしょう。
なお、中堅監査法人は監査の品質レベルは様々です。
金融庁のHPで行政処分を受けていないか、上場クライアント数はどの程度か、常勤と非常勤の割合はどの程度かぐらいは事前にチェックしておいた方がいいでしょう。

監査以外の雑務も多い

良い意味でも悪い意味でも中小企業に属していると色んなことを必要があります。
監査業務の中で大手では経験しないようなことも若い年次から任されるという話をしましたが、監査以外の業務や雑用的なことも若手のうちはすることがあります。
大手だとサポートスタッフの方や非会計士のアシスタントの方がやってくれるようなことも中小ではやる必要がある可能性があります。
例えば、往査先へのプリンターの準備やスーツケースの発送の準備等です。
次々に新人が入ってくるような状況だとよいですが、不況や中小まで人が回ってこないような売り手市場の場合は、いつまでも1年目がやるような基本的な業務や雑務を2年目以降もやることになってしまう恐れもあります。
その場合、本来メリットである色々な経験を積めるという中小のメリットが薄れてしまいます。

又、これも監査法人に限った話ではないですが、中小監査法人の場合、オーナーの意向が強く反映されます。
トップに気に入られているかどうかという要素も大手以上に大きくなってきます。
法人によっては社員旅行があったりと、楽しめる方にはよいですが、そのようなことが苦手な方にとってはつらいかもしれません。
なお、大手の地方事務所も東京に比べると上記に少し似たアットホームな雰囲気です。
Uターンで中小ではなく、大手の地方事務所という選択肢もあるでしょう。

小さいことは、色々な業務を体験できるというメリットもありますが、上記のようなデメリットがあることも認識しておきましょう。

個人的には、合格時の年齢がある程度いっている、前職の経験が長いといった特別な理由がある場合を除き、ファーストキャリアは、大手をおすすめします。
特に大手から中小への転職は難しくないですが、逆は市況が悪いと難しいですし、仮に中小から大手に転職したとしても同期に比べて出遅れており、滞留してしまう可能性が高くなるからです。
中小監査法人で経験後、すぐに独立するのであれば話は別ですが、最初のキャリアで中小を選ぶのは、よくよく考えてからにしましょう。

給料

中堅監査法人は大手以上に法人によって年収が大きく異なるのが特徴です。

大手と同水準から大手の8割程度まで様々かとおもいます。

太陽監査法人

太陽監査法人の中の人がSNSで色々つぶやいていたので、まとめると

・初任給は大手と遜色ない。

就職用のパンフレットにも書いてあるそうですが、

基本給は31万、ボーナスは評価にもよるが普通の場合は4ヶ月弱とのことです。

大手は28万~30万5千円なので、むしろ高いといえるでしょう。

シニアは大手は月給35万~44万のレンジにありますが、このレンジに入るとのことです。

マネージャーも大手は月給56万~67万のレンジにありますが、このレンジ内とのことです。

給与面では大手と遜色ないか、やや劣る程度と思います。

・福利厚生は大手以上

そのほか、大手では廃止された残業時の夕食代補助があり、ハワイへの社員旅行があるそうです。又、スタッフ全員の海外語学研修、修了考査費用補助等もあり、福利厚生も充実しています。

大手からの転職

中小監査法人から大手監査法人への転職

会計士の就職難時代に若手で、大手には入れなかった方又は中小で最初に経験を積みたいといったが思ったのと違った、もっと大きな会社で監査をしてみたくなったという方は、最近の人手不足を受けて、転職している方が結構います。
中小でシニアであれば、シニアで転職できることも多いようです。
スタッフの内は、大きな差はないですが、シニアだと中小(月30万中盤~40万)と大手(40万~40万中盤)でそれなりの給与差になることも関係しているようですね。

大手監査法人から中小監査法人への転職

入社数年のスタッフクラスで大手から中堅へ転職する方はあまり見かけません。

大手から中小監査法人への転職はシニア以降で多くなる傾向があります。

シニアは、大手で監査をずっとやっていたが他のことも経験してみたい方が多い傾向です。

又、マネージャーやシニアマネージャーは大手でパートナーになることを断念して転職する方が多い傾向にあります。
大手だとパートナーになるのは、早くても30代後半ですが、中小監査法人だと30代前半でパートナーになる方もいるようです。
大手で数年経験した人が中堅監査法人に転職してそこから数年ほどマネージャーとして働き、パートナーに昇格するといった形で中堅監査法人の方がスピード感があります。
中小監査法人もパートナーも元々は大手監査法人出身の方がほとんどですが、中小監査法人も大手の監査法人の最新のノウハウが欲しいため、大手でシニアマネージャークラスまで勤めた方の需要は高いものがあります。
注意すべき点としては、規模が小さいため、トップの意向や組織のカラーが出やすく、ご自身にフィットすればよいですが、フィットしないと居づらくなってしまう点です。
代表のインタビューや組織のビジョン等HPをくまなくチェックしましょう。
それでもわからない情報はあると思いますので、転職エージェント等も活用しましょう。

又、中小監査法人のメリットとしては、独立したい場合、税理士登録のサポートをしてくれたり、副業がOKの法人もあり、独立したい方は、独立準備のために転職するというのもありでしょう。

中小監査法人への転職は、事務所の実態や待遇は、大手と違い中々情報が出てこないですので、監査法人と緊密な関係にあるエージェントがおすすめです。

マイナビ会計士

マイナビ会計士は、中堅監査法人へのインタビューやオフィス紹介等をやっており、中堅監査法人と関係が強いようです。

大手監査法人から中堅監査法人からの転職、中堅監査法人への転職に使えるエージェントです。

又、MS-JAPANも多くの中小の監査法人と取引があり、おすすめできます。
特にマイナビでは扱っていないような小規模監査法人の求人もあります。

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