大手監査法人はまったり高給のホワイト企業?

オフィスビル群 監査法人 待遇

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大手監査法人に入所するとまったり高給であるという話を公認会計士の勉強時は聞いてそれを励みに頑張ってきたという方もいるのではないでしょうか。

実際のところはどうだったかをスタッフ、シニア、マネージャー、パートナーの職位別に書きます。

スタッフ

スタッフ 1年目

初任給も500万程度+残業代で他の大手企業に行った人に比べても高給です。

しかも、1年目は補習所があって早く帰ることができますし、補習所のお金も会社が負担してくれます。
完全に労働力の提供<会社のコスト負担の状態で申し訳なく思ってくる程です。

入社直後は、現金預金等の基本的な科目から前期の調書を見ながら苦労しながら調書を完成させたのを覚えています。
四半期ごとに忙しくなりますが、通常の時期は内部統制監査や期末の手続きの前倒しであり、それほど忙しくなく、事務所勤務の時はゆっくり過ごせます。

又、8月や9月の閑散期には調整すれば2週間程休暇をとって海外旅行にいくことも可能です。

1年目の給与については、負荷を考えると最高レベルといえるでしょう。

スタッフ 2年目

昇給は数千円レベルでほとんどありませんが、なお他の大手企業の同期よりも給与水準は高いです。
総合商社は2年目で10万程基本給が上昇するため、監査法人よりも高くなりますが、他の業界で2年目でこれだけもらえる企業はあまりありません。

チームの規模にもよりますが、後輩が入ってきて教育係もやることになります。
年齢によっては、年上の後輩になることもあります。

スタッフ3年目・4年目

修了考査にも合格し、会計士登録を済ませてチームの中堅として、それなりの貢献ができるようになります。
この頃から転職する同期が出始めます。割合としては、1割~3割ぐらいでしょうか。

スタッフ時代は、仕事内容と比較してもらいすぎといえる水準ではないでしょうか。

シニア

4年目、5年目ぐらいからシニアに昇格して上場企業のインチャージを担当することになります。給料も10万程上がり、一般的な大手企業よりは高い水準です。

ここで担当するクライアントによって、ストレス具合が大きく変わってきます。
大手企業のクライアントになるとクライアントの経理の方も知識レベルも高く、プライドも高いため、監査法人に対する風当たりも激しくなり、人によってはクライアントとパートナーの板挟みになり、メンタルになってしまう人もいます。

私は事業会社の経理も経験していますが、やはり監査法人とはいっても顧客と直接やりあってお金を稼いできているフロント部門なので、ストレス度合はバックオフィスに比べて高く、その分給与が高いということはいえるのではなかろうかと思います。

ただし、コンサルのフロント部門は監査法人の比較にならない程ストレスが高く、ストレスと給与の比較でみると監査法人はバランスのとれた職場でしょう。
これは、法定で求められている業務かそれともクライアントの課題を解決するために顧客の意思で行っている業務かによる差が大きいと思います。

担当するクライアントによっては、タクシー帰りや連日の休日出勤となることもあり、ブラック企業だといわれることもありますが、残業代はしっかり支給されますし、単価も高く、20代で1,000万円を超えるケースも散見されます。

何を重視するかは人によりますが、特別な能力がない人間が効率よく稼ぎたいのではあれば、公認会計士は目指す価値のある資格なのではないかと思います。

マネージャー

ここから残業代がでなくなり、大手総合商社や大手生命保険、大手金融機関の同期に給与面で抜かれるケースがでてきます。
残業代がでなくなり、マネージャーになる前に転職するケースやなった後すぐに転職するケースも増えてきます。会計実務面よりもスタッフの時間管理やパートナーのお世話的な仕事が増えてきて、嫌になって転職する方もいます。

マネージャーのポジションは、スキル対比の待遇で考えると他にもっとよい職場があると思いますが、もうすぐマネージャーになれそうであれば、Big4で管理職をしていたというのは履歴書にも拍がつくので、一旦マネージャーを経験してからの方がいいかと思います。
マネージャーはある意味耐える期間でパートナーになれる見込みがないのであれば、ずっとマネージャーというわけにもいかず、いずれ肩たたきにあう可能性もあります。
見込みが薄いのであれば、少しづつ次のキャリアも考えておく、非監査業務や出向などで監査以外の経験をつめるチャンスをつかんでおくことが重要かと思います。

パートナー

昔は、監査法人に残ってさえいれば、ほとんどがパートナーに昇格できた古き良き時代もありましたが、今は非常に昇格は厳しくなっています。

パートナーが監査現場に来た時に私の時代は10時にクライアント先にいって16時には帰っていたよとお茶を飲みながらいっていました。
この時代はほぼ全員パートナーになれましたし、完全なホワイト企業だったかと思います。

昔パートナーになった方の中には、会計知識も怪しく、なんでこの人がパートナーやってるの??と正直疑問に思う方もいましたが、やはり一旦パートナーになると経営側なので、強いです。
退職金もマネージャー以下とは別物です。
今はパートナーは専門知識があって営業ができないと難しいですが、監査法人という規制産業の中での勝負となるので、大手企業で役員になるよりは可能性は高いのではないかと思います。

まとめ

ホワイト企業かどうかは、人によって時間当たりの単価を重視するのか、ワークライフバランスを重視するのか、積める経験を重視するのか異なるため、完全なる主観ですが、上記をまとめると

スタッフ時代、シニア時代は、仕事内容と比較すると給与水準が高く、ホワイト企業といえます。
但し、近年の不祥事により要求される監査手続きが増えているので、まったりとはいえません。

マネージャーは残業代がでず、最近はスタッフやシニアの労働時間の規制が厳しくなっています。
そのため、マネージャーにしわ寄せがいっており、かなり労働時間は多く、待遇面は下がり、我慢の時です。
待遇だけを考えると30代のマネージャークラスだと監査法人よりももらえる転職先は多くあります。
時給で考えると負けで、将来のために投資をしていると考えましょう。

パートナーになると昔よりは厳しいですが、大手企業の部長クラス以上の報酬を得られます。

監査法人はまったりとはいえませんが、報酬と仕事の負荷のバランスがよく、少なくとも給与は高めのホワイト企業といえます。
ただ、長い目でみると景況感によりブラックとホワイトの間を大きな振れ幅で動いている印象を受けます。
監査法人のコスト構造は、他のコンサル業と同様に人件費が多くを占めています。
経営者が経営のプロではなく、あくまで監査のプロであるため、
人件費のコストコントロールがうまくないから、極端に人が余ったり、足りなくなったり景気により大きく振れてしまうのだと思います。

1点留意しておきたいのは、監査法人は若いときは、比較的高い給与を得ながら経験を積める素晴らしい職場ですが、歳をとるにそれなりのポジションにいないと周りの目も厳しくなってきます。
事業会社で係長のまま定年を迎える人は多くいますが、監査法人でシニアで定年までというのは想像がつきません。
景気が悪くなると40代後半以降のマネージャーやシニアマネージャーは、リストラの対象となってくる可能性が高くなってきます。
パートナーになれないと判断したら監査法人以外に活路を見出す方が多いのもこれが大きな理由です。
又、外に出ようにも40代で監査経験しかないと転職できる会社や職種も限定されてきます。
景気がよく、転職市況の良いうちに将来のための準備をしておくことが重要です。

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