公認会計士のファーストキャリア~監査法人と事業会社どちらに就職するか

監査法人と事業会社 どちらに就職するか 監査法人

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在学中に会計士に合格された方は、公認会計士の最初のキャリアとして、

監査法人に入るか、事業会社に就職するか迷うこともあろうかと思います。
私は、明確な将来のキャリアプランがない場合は、最初のキャリアとしては、待遇面とキャリア面の2点から監査法人を勧めます。

待遇面

給与

事業会社の大卒の初任給は一般的には、20万~24万程度です。
それに対して、監査法人の初任給は、30万弱であり、20代前半から20代後半の若いうちは、事業会社よりも給与が高いです。
ただし、総合商社等は2年目に10万円程昇給し、ほぼ同レベルの基本給になり、賞与も6カ月~8カ月程度もらえるため、報酬面だけを考えると総合商社等の方が高いです。又、事業会社の場合は、寮や借り上げ社宅、住宅補助等の福利厚生があるので、それを考慮に入れると大きくは変わらない可能性があります。

補習所や修了考査への理解

又、1,2年目は実務補習所に通う必要がありますが、事業会社の場合、必ずしも考慮してくれるとは限りません。

監査法人の場合は、まず実務補習所の代金(補習量170,000円程度と結構高額です)を監査法人が負担してくれますし、チームメンバー全員が実務補習所があるということを理解してくれていて、定時付近になるとそちらを優先するよう促されるため、通学しやすいです。

又、3年目になると修了考査を受験するのですが、修了考査の予備校代(170,000程度)・受験費用もすべて監査法人が負担してくれますし、試験休暇が10日程別途付与され、チームによっては追加で有給を取得されてくれる等理解があります。

事業会社に最初から就職した方は、勉強時間が確保しづらいのと監査実務をやっていないため、修了考査の合格率が低い傾向にあります。

キャリア面

会計士としての強みの形成

公認会計士試験の内容自体は、書籍等に書いてあることであり、その内容が体に染みついているというのは強みかと思いますが、公認会計士の強みは、色々な会社のビジネスモデルや決算書、内部統制を見れるということにつきるのではないか思います。
実際、事業会社でも何かを判断する際、他の会社はどうなのか、一般的にはどうなのかを気にしており、聞かれることがあります。
そういった際、最初から事業会社に就職していると、他の会社をしらないため、他の社員との差別化が難しいです。大手企業は年功序列なケースが多く、その中で埋もれないためにも、何か意識的に専門性を磨いていくことが必要でしょう。

転職のしやすさ

大学を卒業したばかりですと何かしたいのかが実際にはよくわかっていないケースが多いかと思います。その際、なんとなく監査法人にいって働いてから考えるというのもひとつの方法かと思います。
なぜなら最初に監査法人にいくと最初に事業会社に就職するよりもその後の転職先の幅が広くなるからです。
事業会社の経理に就職した場合は、他の事業会社の経理には監査法人よりも転職しやすいかと思いますが、コンサル等の別の職種への転職はハードルが高くなります。
監査法人の監査経験のみは評価されないというのは、半分は事実ですが、20代の中途採用は、ポテンシャル採用の側面が強く、大手監査法人勤務の会計士というのは、マイナス評価になることはなく、一般よりも転職はしやすいといえるでしょう。(35歳を超えて監査法人勤務経験のみだとぐっと求人数がへってきます)

又、独立開業したい場合、監査法人の先輩が紹介してくれるケースもありますし、収入を安定されるため、監査のバイトが必要になるケースもあります。

上記2点の理由から私は最初の就職先としては、監査法人を勧めます。ただし、例えば、事業会社の中で、経理をやってその後経営企画をやりたい等予めキャリアプランが決まっている場合は、その限りではありません。

なお、事業会社に転職する場合は、そもそもいわゆるホワイト企業と呼ばれる企業は、離職率も低いため、中途採用の求人は少ない点やプロパー社員と中途社員で待遇に差がないか等確認が必要です。

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