事業会社の経理に要求される知識・スキル

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事業会社で働いてみて、事業会社に需要があると感じる経理財務のスキルを書きておきます。将来、事業会社への転職を考えている監査法人勤務の会計士の方は、意識において日々の仕事をこなしてみるといいかもしれません。

理解が難しい会計処理分野の実務対応力・説明する力

税効果会計や資本連結等 の難易度が高い分野について十分な知識を有した人材が不足しているというのは、感じています。

特に資本連結については、企業のシステムの仕様等を理解する必要があり、職人的な領域になっています。

監査法人で複雑な資本連結の検討や税金の科目を担当している方は、戦力になるのではないかと思います。(ただし、企業が使っているシステムにより自動仕訳の起こり方が異なりますので、システム面の早期把握が重要です。この企業ごとのシステムになれるというのが大変なところです。)

又、事業会社の経理の方は、必ずしも元々経理部を志望して入ってきた方ばかりではなく、ローテーションで配属された方もいます。又、役員の方も経理関係の方以外は会計にそれほど明るくないケースがあります。そういった方に難しい話を簡単にわかりやすく説明する力も求められているといえます。

会計知識を利用して将来の予算や見通しを立てられる力

事業会社では、決算を締めることも大事ですが、 予算や将来の見通しを立てることも要求されます。その際、M&Aを実施してPL・BS・CFへの影響がどうなるのか、税金費用はどの程度になるのか見通しを立てられるスキルは重宝されます。

業務効率化・標準化経験

近年の流れとして、単純業務は外部にアウトソースするかシステム化して経理は業績管理や戦略のサポート等考える業務に力を割くようになってきています。
そのため、連結パッケージチェックを自動化するために、効果的なチェックを設定したり、(例えば整合性チェックや異常値の場合、自動的に理由を聞く設定をします。)連結仕訳が自動で起こるように設定(例えば、パッケージのこの欄にいれると連結修正仕訳が起きるようにする)を考えることができる人材が要求されています。

こういったシステム設定はIT部門にお願いするのが一般的かと思いますが、システム周りをわかっているとコミュニケーションも取りやすく重宝されます。

又、大手企業であっても業務が属人的でマニュアル等は特にないケースもあります。引継ぎも口頭でぱっとやってあとはやってくれみたいな感じです。

監査法人では監査調書をみてやって特に引継ぎ等はなかったので、違和感がありませんでしたが、他の企業から転職してくる方やプロパーで移ってくる方の中には苦労している人もいました。こういったブラックスボックス化した業務を見える形にするといった役割も求められているかと思います。監査法人ではリファレンスという方法をまず教わりますが、どこからどこに数字が繋がっているかわからない資料もあるので、まずそのやり方を教えるだけでも標準化ができるのではないかと思っています。

新しい会計基準の導入経験

IFRSの導入も含めてですが、新しい会計基準が公表された際には、事前にPL・BSへの影響度と業務フローへの影響度の調査が必要になり、影響が大きい場合には経営陣にレポートする必要があります。

新しい会計基準(特にIFRS)の中には解釈の余地があり、どういったことなのか事前に監査法人と調整しておく必要がありますし、また連結子会社に対して新基準を適用してもらうために新基準の概要や業務への影響に関する説明会を実施したりします。

こういった監査法人や子会社との調整業務や新しい基準をかみ砕いてわかりやすく説明するスキルが要求されます。

又、他の部署に影響する(例えば収益認識でしたら受注管理の部署や営業の部署、退職給付でしたら年金を取り扱う部署)場合は他部署への説明や新たな業務のお願いをする必要もあり、調整力も求められます。こういった分野の仕事は監査法人で働いていたら、新基準が発表されたらクライアントに説明することもあったかと思いますし、会計士としての経験を生かせる仕事なのではないかと思います。

語学力

AI等の翻訳技術は進んできていますが、会計がわかっていて英語が書ける・話せる人材は重宝されるかと思います。

というのも一定規模以上の外国の投資家がいるような企業では、開示書類も和英両方とも作成しますし、取締役会や経営会議の資料も外国人の経営陣がいる場合は、和英両方のバージョンを作成します。

企業や業界ごとに特殊用語があり、まだまだ機械翻訳は満足のいく水準に到達しておらず、定形的なものを除いては、外部の機関にアウトソースすることは難しいのではないかと思います。

また、海外の子会社の業績管理をするのに、英語で議論できる人材というのは不足しており、評価が高いという印象を受けます。

先日、ウェアラブル音声翻訳デバイスili(イリー)がTVで取り上げられていましたが、聞き取り精度がまだ十分ではなく、議論に使用できるような翻訳技術が開発されるのはまだまだ先なのではないかと思います。

あと、英語だけではなく、中国の子会社を持っている場合、中国語もできる方は少ないので、重宝されます。

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