転職した会計士の事業会社での仕事内容

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事業会社・一般企業といっても様々な職種がありますが、会計士としての経験が生かせる職種は以下があげられるかとおもいます。

企業規模ごとにすべての業務をひとつの部署でおこなっていたり、分業化が進んでいたり等違いがあります。

転職の面接時に興味がある業務はどの部署でやっているといった点や部署間のローテーションの頻度等聞いておいた方がいいでしょう。

連結決算

連結決算業務は、会計士としての経験がそのまま生かせる業務かと思います。会計士の転職先としても連結決算から入るというケースは多いのではないかと思います。

主な業務内容としては、
・債権債務の相殺や棚卸資産の未実現消去、資本連結、連結調整仕訳の投入、連結パッケージの入力内容のチェック等の決算業務

・連結パッケージの作成・エラーチェックや自動仕訳等の設定の検討
・計算書類作成や有価証券報告書の作成等開示業務
・個別論点の検討、監査法人との調整や新会計基準の影響調査や導入検討
を行うこととなり、まさに監査法人でチェック側として行っていた業務を財務諸表作成側として行うことになります。
また、海外に子会社を有している会社の場合は、海外子会社とのやり取りがあり、英語力を要求されるケースもあります。

連結決算は、経理職の中でも専門性が高いことからつぶしがきく傾向にあります。

個別決算

規模によって連結決算と個別決算が部署として分かれている企業と分かれていない企業がありますが、こちらも基本的には連結決算と同様会計士としての経験が生かせる職種かと思います。
単純な仕訳投入業務や日々の入出金等日常業務はシステムで自動化しているかアウトソースしているケースが多いです。

管理会計(FP&A)、経営企画

予算の策定、予算と実績の差異分析、経営管理・経営会議資料の作成等を行います。

事業を行っている現場にヒアリングを行い、事業上リスクの把握や予算の進捗状況、増減要因等を確認し、各社から収集した数字を分析・加工し、経営陣にレポートするといった業務があります。

そのほか、中長期経営計画・ビジョンの策定、設定、管理、経営会議資料作成、経営会議の運営等が考えられますが、会社によっては別の部署がおこなっていたりするケースもあるようです。

部署名も経営企画部であったり、経理部内で行っていたり、経営管理部であったり様々です。

ちなみに外資系の企業では、FP&Aというポジションがありますが、日系企業だとあまりみかけませんね。

税務

対応等法人税、消費税、地方税等などの税務申告書の作成、移転価格税制の文書作成、税務調査対応等があります。
会計士は、実は税務にはそれほど詳しくない人が多いということは、企業側もある程度わかっているので、税務職の募集は税理士が要件に入っていたりします。
会計士が税務をメイン業務で転職しようとすると未経験に近い扱いとなり、待遇も下がることが多いです。税務だけでなく、会計コンサルに力を入れている法人をえらぶ等自分の能力が発揮しやすい業務も組み合わせると給料の低下は抑えられるのではないかと思います。

財務

財務の仕事は、大きく①財務戦略の立案②資金調達③資金や投資の管理に分けられます。

近年アナリスト等の中でも営業利益だけでなく、FCFを生み出す力が重視されている流れもあり、重要性が高まっています。

それぞれについて簡単にふれるとまず①財務戦略の立案とは、調達した資金をどのようにつかっていくか考える仕事です。CF計算書は経理部で作成するのですが、作成した実績をもとに予算を策定しています。又、バランスシートの管理を財務部が行っているケースが多いです。

ROAなどのKPIを設定し、その達成のために企業の買収や売却等経営企画等と連携して検討していきます。

②資金調達とは言葉通り、金融機関から受ける融資、資本市場から調達する社債、あるいは株券発行による資本増資などの手段を考えていく業務です。従って、銀行などの金融機関や格付機関への対応も業務内容に含まれます。

③資金や投資の管理とは、保有している現預金や国債・投資有価証券・子会社株式等の管理や新規の投資の検討をします。

上記のような業務内容を考えるとPL・BS・CFのそれぞれの関係を深く理解している必要があり、会計士として活躍するチャンスがあるかと思います。

内部監査

仕事内容としては、監査法人で行っていた業務内容と大きくは変わらないと理解していただいて問題ないかと思います。

監査法人での経験が生かせるため、40歳近くでマネージャー以上で転職する方は内部監査部門に転職したという話をよく聞きます。

給料は下がるが、ワークライフバランスに優れているという話です。

近年、東芝事件を受けて、監査法人と内部監査室の連携強化が行われており、需要が高まっている印象を受けます。特に海外子会社の監査に対応できる人材の求人が多いです。

又、外資系の企業は内部監査を重視している傾向も強く、求人をよく見かけます。

監査計画を立て、監査手続書に基づき、監査手続きを実施し、監査調書を作成するという作業自体は大きく変わりませんが、監査の結果を踏まえた業務改善や指導等コンサルティング的な側面が強くなってきている傾向があります。

ただし、会社により閑職になっている等内部監査の立ち位置が異なるので注意が必要です。

広報IR

広報IRに転職した方も周りにいます。

広報は一見会計士の経験を生かすチャンスがなさそうですが、IR資料を作成したり、公表するのに会計を理解していた方がアナリストやその他利害関係者へ適切な説明ができるかと思います。

しっかりと会計を理解している人間は広報にはあまり多くないという印象です。

一方で、IRには会計を理解している、数字に強いことが必要です。

そういった意味ではあえて広報のような分野へ行くのもありなのではないかと思います。

中堅規模の企業では、経理とIRが一体となっていて、経理を経験した会計士がIRも担当するということもあります。

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