監査法人を辞めた会計士が後悔する転職失敗例と転職を成功させるためには

監査法人を辞めた会計士が後悔する転職失敗例と転職を成功させるためには監査法人

監査法人を監査に飽きた、もっとやりがいのある仕事をしてみたいという理由で転職してみたものの、こんなはずではなかった…と後悔している方も一定数存在します。

今回は、監査法人を辞めて後悔している方に向けて監査法人を辞めた会計士が後悔する転職失敗例と失敗しない転職をするために重要なことをまとめました。

監査法人を辞めて後悔するパターン

周りの話を聞いていると監査法人を辞めて後悔しているパターンには、給与面での不満、社風になじめないことからくる不満、ストレスからくる不満、仕事のレベルに関する不満等があります。
実際に周りに転職した会計士に聞いてみた後悔しているパターンをまとめました。

給与面での不満

これは事業会社に転職した方にみられる不満です。
監査法人だと順調に昇進すれば、30歳で1,000万程、さほど昇進しなくとも700万~800万程度はもらうことができます。
一方事業会社だと総合商社やマスコミを除くと大手企業であっても600万~700万程度の場合が多く、福利厚生や年金、将来の昇給等をみれば、それほど不満を感じる程ではありませんが、監査法人の同期と比較して、物足りなく感じるパターンです。

ワークライフバランスが良いことを重視して転職した場合は、事業会社に転職した方はあまり不満はききませんが、転職する際に自分が何を重視しているのか自己分析が足りなかったために起きた失敗事例になります。
又、ベンチャー企業に転職したが、IPOを目指していたのが業績も悪化し、状況が変わり、上場の可能性もなくなり、低い給与で燻っている方もいます。
まだIPOの道筋が定まっていない場合、IPOによるキャピタルゲインを狙うという考えは、社長の方針次第で自分の人生が左右されるリスクがあるという点に留意が必要です。

又、税務の勉強のために小規模税理士事務所に転職した方の中には、税務については勉強中という謎の理由で残業代が出ないという話も聞きます。
今のBig4だとコンプライアンスの関係上、逆に残業はしっかりとつけるようにいわれますので、小規模組織に移る場合は、トップの方針次第で上記のような状況になりうるという認識は頭にとめておいた方がいいでしょう。

会計士のメリットは、ある程度失敗してもリカバリーが可能なことですので、転職した理由がなくなったら次の活躍できる場を探すのもひとつの手です。

社風になじめないことからくる不満

こちらは、日系の大手事業会社に転職した方から聞く話ですが、社風が合わなかったというケースです。
監査法人はなんだかんだいっても自由な雰囲気で、現場に行くときは、チームで食事にいくものの、事務所勤務の際は気の合う同僚といったり、少し遠出して長めのランチをとったりといった個人主義的な風土があります。
朝の時間もかなりルーズで、事務所勤務の場合は、定時に出社してこない方も多いです。

一方で、歴史のある日系大手企業の中には、朝にチーム全員での朝礼が毎日あったり、昼ご飯は同僚、上司と全員で毎日社食に食べにいったりとチームワークを最重視する風土があり、それになじめなかったという方もいます。
転職というと年収や仕事内容、ワークライフバランス等に目がいってしまいがちですが、会社の風土が自分にあっているのかというのも重要なポイントになります。

仕事のストレスからくる不満

より正確にいうと仕事のストレスと対価のバランスがとれていないと感じるパターンでしょうか。
これはコンサルやFASに転職して思うように成果がでていない方にみられる不満です。
監査法人ではマネージャー以下は基本的に残業代が支給されますが、コンサルやFASは裁量労働制をとっており、残業代はでずにボーナスで報いるという報酬体系の会社が多いです。

監査法人での監査の仕事は仕事のストレスと報酬を比較すると割のいい仕事であることは確かであり、監査法人と比べるとストレスも労働量が多く、周りも優秀なコンサルで働いていてこれなら監査法人に残っていた方がよかったのでは?と感じる方もいるようです。

これも自分が何を重視しているのか自分自身のことがよくわかっていなかったために起こっていることであり、転職する前に自分にとって重要なのはワークライフバランスなのかお金なのかよく考える必要があります。
又、小規模なコンサル等に転職すると教育体系がしっかりとしておらず、教えてくれるような人がいないといった点で悩んでいる人もいます。
会計士は会計や監査であれば、プロフェッショナルですが、税務やコンサルになるとやはり経験がないといきなりは難しいかと思います。
そのような小規模組織に転職する場合は、一人ひとりの寄与度が大きいので、事前に食事会をセットしてもらって、人となりを把握しておくかことが必要でしょう。

仕事のレベルや内容に関する不満

これは中堅の事業会社に転職した場合に多くみられる不満です。
実際に手を動かして財務諸表をつくってみたいと思って事業会社の経理に転職したものの、周りのレベルが想像以上に低いことや、はじめは新鮮であったものの、2,3年経験すると単純作業の業務の割合が多く、想像していた仕事と違うというミスマッチから起こる転職失敗事例になります。
又、就職した企業が新卒のいわゆるプロパー社員を優遇する企業で中途は昇進しずらいという企業だと入社後にわかったという話も聞きます。
プロパー社員よりも会計知識があり、スキルもあるのに…と感じて自分を評価してくれる職場に再度転職する方も見かけます。
又、大手企業に転職した場合も、最初は本社の経理で採用されたものの、異動で固定資産だけをやっている部署にローテーションになってしまい、後悔しているという話や仕事が分業化されすぎていてスキルが身につかないといった話もききます。
面接中は入社するための自己アピール等に集中してしまい、実際の業務レベルや求められている役割、他の部署への異動の可能性、ローテーションの頻度といったことを聞き出せなかったために起こったミスマッチになります。

入社前に聞いていた条件と違う

又、経営企画がやりたいといって転職したものの、面接の中でまずは経理から初めて会社に慣れてから経営企画に異動するという話をもらうことがあります。
しかし、経営企画の異動はあくまでジョブローテーションの一環で確約したものではないといわれ、結局代わりの人材も採用できず、なくなってしまったというケースもあります。
しっかりと〇ヵ月後に異動という形で確認をとるようにしましょう。
信用できる会社なのかどうか見極めましょう。一般消費者向けにビジネスをしている場合はその対応で信頼できる会社なのかどうかヒントとなる場合があります。
又、転職エージェントの中であの会社はいつも求人を出しているよねという会社もあり、エージェントが情報を持っていることもあります。
担当しているエージェントはどうしても紹介料があるため、内定を得たら入社してもらいたいと思うのが、通常ですが、複数エージェントを登録してみると、客観的な情報をもらえることがあります。

監査法人に出戻るという選択肢もある

監査法人を辞めて後悔している方は監査法人に出戻りをするという選択肢もあります。

一回監査法人を辞めても、監査法人でしっかり仕事をやっていた方であれば、出戻りには寛容です。ただし、注意しなければならないのは、大手監査法人に転職する場合は基本的に監査の経験年数だけで判断されるケースが多く、辞めた時の職位になってしまうということです。

例えば、監査5年経験し、辞めたときの職位がシニアスタッフであれば、その後経理を5年やっていたとしてもマネージャーとして採用される可能性は限りなく低く、シニアとしての採用となってしまいます。ただ上記はあくまで監査部門での話で、アドバイザリー部門であれば経理経験を評価されて、マネージャーやマネージャー候補として採用される可能性はあります。
又、中堅監査法人であれば、監査以外の経験が評価されて、より上のポジションで採用される可能性もあります。

後悔しない転職をするためには

自分も最も重視する項目(転職の軸)を明確にする

上記の転職失敗事例をみてみると結局のところ、自分が何を重視しているのか(お金、ワークライフバランス、仕事内容、社会的地位)が自分自身で把握できていなかったことから起きていることになります。
転職の際には、給与、職務内容、ポジション、仕事の安定性、将来性、ワークライフバランス、勤務地、転勤の有無等考慮すべき事項が多岐にわたり、すべてを完全に満たすことは極めて難しいです。そのため、自分の中で優先順位をつけておくことが必要です。

自分が重視することが明確になっていれば、面接で絶対に確認しなければならないこと、絶対に譲れないこともみえてきますし、転職活動の軸や志望動機も明確になります。
なんとなく、監査業務以外も経験してみたいというだけで転職すると後悔することになる可能性もあります。
会計士としてどのような仕事がしてみたいのか、どうなりたいのか、将来のキャリアパス、次のキャリアはどのような可能性があるのかといったことを考えて転職しないと本来の目標とは異なる方向にいつの間にかいってしまい、「転職後にこんなはずでは…」という事態になりかねません。

転職する軸を満たす求人がでていないのであれば、無理して転職するのではなく、じっくり探して条件を満たす求人がでてくるのを待ちましょう。

転職の軸を満たす企業か裏付けをとる

又、転職の軸を決めたとしてもその軸にフィットするかどうかの情報収集が不足していたという理由もあります。転職先に対する情報が不足していた場合に起こる失敗です。
例えば、ワークライフバランスを重視するのであれば、面接で残業時間を聞くのはもちろんですが、
例えば今〇〇部の方はまだ残っているのですか、年間で月ごとの残業時間はどの程度かといった色々な角度から聞いてみましょう。
又、人を採用する理由には理由があるはずでそれがネガティブな理由(退職者の補充)なのかそれともポジティブな理由(事業拡大による増員や働き方改革のため)なのか確認しましょう。
又、求められている役割や年齢構成、ローテーションの頻度等も確認しましょう。
転職エージェントで過去転職した方がいる場合や転職エージェントがその企業に詳しい場合もあります。その場合は転職エージェント経由で確認してもらいましょう。
又、企業のいうことを性善説的に信じすぎないことも必要です。
求人票に残業はほとんどありません、人間関係も良好ですと書いてあってもそれをそのまま額面通りに受け取るのは、短絡的といえるでしょう。
いつも求人が出ている会社で条件がやけに良い会社は、次々に人が辞めているので、補充している可能性があり、募集背景や離職率等をエージェントに確認しましょう。

要望すれば、実際に働いている方と話しをさせてもらえこともありますし、食事会をセットしてくれることもあります。
特に面接で部長、役員や社長クラスとしか会っていない場合、現場の雰囲気をつかむことが難しいです。
オファーをもらった段階で会食等の面接とは別の場をセッティングしてもらうようにエージェントにお願いしてみましょう。
面接では中々わからない社内の様子や役員の人柄等の情報を得ることができます。
会食が難しくとも面接官とは別に、同僚や先輩社員との面談の機会を得られることもあります。
又、職場見学の機会をもらえることもあります。
私は面談等が難しければ、実際に職場見学の機会をエージェントにいってもらいました。
決算書だけでは見えてこないことはたくさんあるので、自分の目でしっかりと確認することが必要でしょう。

自分の求めるものを明確にし、判断する裏付けをとるためにも転職の際にエージェントを利用する際は、会計士の仕事やキャリアを理解しているエージェントがおすすめです。
マイナビ会計士は、会計士に特化した転職支援サービスを展開しており、会計士の業務の理解と大手の求人数を兼ねそろえたバランスのよいエージェントになります。

そのほか、会計士の転職におすすめのエージェントをまとめています。

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