大学生が公認会計士を目指してダブルスクールするって大変?在学中に合格するには

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不況となり、就職が厳しくなると人気が増してくるのが、公務員等の安定職や公認会計士等の士業になります。
今回は、公認会計士を目指す大学生の方向けに、在学中の会計士試験合格を目指してダブルスクールを始めるのであれば知っておきたいことをまとめました。
当記事では、大学と専門学校のダブルスクールはどの程度大変なのかを必要な勉強時間から逆算し、スケジュール例で説明するとともにいつからダブルスクールを始めるのか、大学在学中に合格するのは本当に難しいのかについて解説しています。

大学と専門学校のダブルスクールは大変か?

私自身も大学と専門学校のダブルスクールで公認会計士試験に合格していますが、ダブルスクールは、大変でしたが、それほどつらいと感じることはありませんでした。
大学の授業を受けた後、他の多くの学生が遊んでいる中、専門学校で授業を受けにいくわけですから、それなりの覚悟と時間が必要です。

とはいえ、どの程度忙しいのか実感がわかないと思いますので、記事の後半で在学中合格のためのスケジュール例を示したので、参考にしてください。
最初から勉強に集中しなければならないわけではなく、1年目はある程度余裕があります。
勉強時間としては、専門学校のTACによると3,500時間(2,000~5,000時間)が一つの目安とされています。
TAC合格者400名程の一発合格者の平均勉強時間は3,664時間とのことです。
しかし、この勉強時間は人により大きく異なります。
1回で受かれば、勉強時間は、4,000時間程度で収まるでしょうが、2回目以降の受験の場合でも勉強時間は大きく減らすことは難しいため、勉強時間は大きく増えることになります。
その人のバックグラウンドによっても異なるので、あくまで目安と捉えておきましょう。
大変ではありますが、その分のリターン(給与水準にしろ、やりたい仕事をある程度選べる等)はあるかと思います。

大学生の公認会計士試験合格率は?

公認会計士試験と聞くと難関というイメージの方も多いでしょうから、「学生の内に勉強していても在学中に合格できるのは極一部なんじゃないの?」という方もいるかと思います。
公認会計士・監査審査会では、会計士試験合格者の内訳情報を公表していますので、実際の2019年公認会計士試験のデータを見て、上記の意見が正しいかみてみましょう。
まずは学歴別の合格率をみてみましょう。


大学在学中を赤枠で囲っていますが、合格率(合格者/願書提出者)は、大学在学中が14.7%と全受験者平均の10.7%を上回っています。大学を卒業した方の方が勉強時間を取れると思いきや、大学卒業の方は、9.8%と全国平均を下回っています。
又、職業別の合格者数も出しています。


これによると学生の合格率は、15%(平均1073%)、論文式試験に限定していうと50.2%(平均35.3%)と短答式試験に通ってしまえば、およそ半数は合格している試験になります。
そして合格者の構成比としては、56.1%と半数以上が学生合格者となっています。
こちらのデータをみると現在の公認会計士試験は、正しく勉強をすれば、普通の人でも在学中に合格するのは決して不可能ではない試験であるということがご理解いただけると思います。

いつからダブルスクールを始めるのか

いつからダブルスクールを始めるのかは、いつ合格したいかによります。
概ね会計士試験対策のカリキュラムは、1.5年~2年が目安ですので、大学1年の夏頃勉強を始めて3年生の時に合格するのが現実的なスケジュールです。
カリキュラムから逆算すると3年生で合格したい場合は、大学1年の12月頃までに勉強を開始する必要があるでしょう。
又、いきなり会計士試験の勉強を始めるのではなく、まずは簿記を勉強して、自分が会計士に向いているのか確認するのもよいでしょう。
簿記を勉強するのであれば、日商簿記検定を受けるのがよいかと思います。
簿記1級、2級、3級までありますが、まずは簿記2級まで勉強してみて、財務会計と管理会計・原価計算の基本的なところを勉強してみて自分に合っているか確認するのもよいでしょう。
理由としては、2点あります。
1点目は、財務会計と管理会計は、会計士試験においてメインとなる科目であり、公認会計士試験への適正を試すのによいからです。
2点目は、その後の実務でも財務会計と管理会計は会計士の基礎となる知識であり、毎日のように向き合うことになるからです。
簿記2級で苦労する、簿記に全く興味が持てないようであれば、会計士には向いていない可能性が高いでしょう。
簿記を勉強してみて、会計をもっと勉強したいということになってから会計士を目指しても問題ありません。
上記の1.5年~2年は、完全初学者の場合ですが、簿記の勉強を既にしている場合は、簿記2級まで勉強済みか1級までかにもよりますが、1年~1.5年でカリキュラムを終らせることが可能です。
なお、誤解する方も多いですが、公認会計士は数字には強いですが、数学には強い必要は全くありません。
理系よりも文系の方が多いですし、私立大学の方も多いので、数学苦手なんだけど…という方は全く心配する必要はありません。
公認会計士の講座は60万~80万と高額ですので、まずは自分に合っているか確認してみるのもよいでしょう。
なお、勉強を開始するのは5月が専門学校の講座開講が多いのはありますが、モチベーションが高い時が一番よいです。思い立った時がはじめ時といえるでしょう。

簿記はどうやって勉強するのか

簿記検定に合格することがだけが目的ならば、特に専門学校に通う必要はなく、市販のテキストと問題集をこなせば、合格はできるかと思います。
ただ、もし最初から絶対に会計士になるという固い気持ちがあるのであれば、最初から会計士を意識して勉強をするのが、効率がよいかと思います。
簿記検定は、もちろん基礎にはなりますが、会計士試験に直結するかというと必ずしもそうではないからです。
又、専門学校によっては、会計士試験の導入として、簿記検定の講座を入門として無料体験できるところもあります。
例えば、東京CPAでは、公認会計士入門講座の体験講義(簿記3級対応部分)を無料体験できます。
独学でももちろん合格できますが、このような体験講座を上手に活用するのもありです。

在学中合格のためのスケジュール例

在学中に合格を目指すのであれば、1年生から勉強をするのであれば、3年次の合格、2年生から目指すのであれば、4年生での合格を目指すのが一般的です。
勉強を始める際に考えておかなければならないのは、仮に落ちてしまった場合のことです。一番いけないのは、在学中に合格できずに、だらだらと勉強を続けて、歳をくってしまったケースです。
監査法人の雇用環境によっては、25歳以降で職歴なしだと大手監査法人への就職が難しい時期もあります。

タイミングによっては、30歳職歴なしの方や35歳職歴数年の方が採用された年もあり、これは本当に時期によります。
自分の人生を運に任せないためにリスク管理をしっかりと行う必要があるかと思います。
例えば、2回しっかり勉強して受かる見込みが薄そうな場合は、撤退する等撤退する条件を明確にしておくことが必要でしょう。

又、3年生での合格を目指す場合、1回落ちてしまっても4年生の時に合格できれば、全く問題はないので、早くに勉強を始めるメリットがあります。
加えて、3年次に合格できれば、雇用環境にもよりますが、監査法人の非常勤で単価3,000円程で働くことができます。
なお、場合によってはあえて留年をして、会計士試験対策をするという方もいました。
その場合、仮にダメだった場合でも一般就活に切り替えられるというメリットがあります。

■在学中合格のためのスケジュール例

・大学1年5月 簿記勉強開始 
・大学1年11月 簿記3級、簿記2級受験
・大学1年12月 公認会計士専門学校開始
・大学2年12月 公認会計士短答式受験
・大学3年5月 公認会計士短答式受験(12月に落ちた場合)
・大学3年8月 公認会計士論文式試験受験
・大学3年11月 公認会計士試験合格

専門学校は、5月に開講されることが多いので、5月としています。
大学2年生以降から始める場合も決して遅くはありません。

上記はあくまで代表的な例として挙げていますが、
どれぐらい忙しいかというとまず、大学1年11月の簿記3級、簿記2級受験までですが、時間に必要な勉強時間の目安を参考にみていきましょう。
簿記3級の勉強時間の目安としては、大手専門学校TACによると60~80時間程度、
簿記2級の勉強時間の目安としては、200~250時間といわれています。
5月~11月までおよそ10か月の勉強時間を取れるとし、土日は休むとすると330時間/(20営業日*10か月)=1.65時間/日の勉強時間を確保すれば問題なく、それほどハードではないかと思います。

仮に土曜日だけ一部勉強する場合は、必要時間はさらに減ります。
大学1年12月に公認会計士の講座が始まったばかりの時はさほど忙しくはなく、講義含め1日2~3時間程度の勉強で済むでしょう。一般の大学生からすると非常に多いと感じると思います。
大学2年になると少しずつ勉強時間が増えてきて、短答式の直前期には、1日7、8時間程度の勉強が必要になることが多いです。
短答式試験合格後は、ほっと一息つけますが、その後は論文式試験に向けて週1日だけ休息日にして、1日9時間、10時間の勉強を続けるストイックな生活が必要になるケースが多いでしょう。

公認会計士試験の一発合格者の平均勉強時間3,664時間を使うと大学1年12月から大学3年8月まで21カ月ありますので、週1日完全休息日を設けた場合は、平均して6.1時間/1日程度の勉強時間が必要ということになります。
大学の授業もあるでしょうし、部活やサークルもあるでしょうから、6.1時間の勉強時間を大学と両立して別途用意するというのは、大変なことなので、目指すには覚悟が必要でしょう。

上記はあくまで一例ですが、大学生の早いうちから始めることができれば、短答式試験は2回受験のチャンスがあります。
短答式試験に通れば、学生の論文合格率は50%以上なので一定以上の可能性で在学中に合格できるのではないでしょうか。
又、上記の日程だと大学1年の12月まではかなり余裕があるスケジュールで1日1時間~2時間程度勉強すれば問題ない日程ですので、多少遅れたとしても挽回は可能です。
大学受験が終わった直後にすぐ勉強するのはちょっと…という方も1年目は遊ぶ時間も十分に取れますし、さほど心配する必要はないでしょう。

事前に簿記を勉強しない場合も、若干スケジュールがタイトになりますが、大学1年の12月に公認会計士試験の勉強を開始しても間に合うでしょう。

まとめ

上記公認会計士試験に合格を目指す大学生の方が知っておくべき情報をまとめました。
・大学と専門学校のダブルスクールは大変だが、1年目は遊べない程ではなく、
 余裕がある
・在学中の試験合格は簡単ではないが、極一部だけができることではない。
 半数以上は在学中の合格者
・いつ合格したいかから逆算し、始める時期を考える。勉強期間は1.5年~2年が目安
・適正を確かめるために簿記の勉強から始めるのはあり

公認会計士試験の専門学校について

公認会計士試験は、試験範囲が膨大なため、独学で合格するのは非常に難しいです。そのため、多くは専門学校とのダブルスクールをすることになります。
大学によっては、大学で会計士試験対策をするところもありますが、合格実績と専門学校での授業内容と同じ内容かを確認しましょう。
やはり、餅は餅屋。会計士試験の対策をしている専門学校で勉強をするのが一番効率化がよいかと思います。
代表的な専門学校としては、以下の5つです。

資格の大原
TAC
CPA会計学院
LEC
クレアール

大原、TAC、東京CPAで合格者のおよそ9割程を占めています。
下記記事で各専門学校の特徴やメリット・デメリット、費用等を比較しています。

公認会計士試験のおすすめの専門学校・予備校 TAC・大原・東京CPAを徹底比較
公認会計士試験は範囲が膨大で独学で合格することは非常に困難といえる。公認会計士試験の専門学校にはどのような選択肢があり、どこが1番いいのか。TAC、大原、東京CPA等について授業・テキストの質、サポート体制、費用の観点で比較してみた。これから公認会計士を目指して専門学校を選ぶ方の参考になれば幸いだ。

費用は、専門学校により40万台円~80万円と大きな差があります。

公認会計士の予備校にかかる学費・費用の比較
今回は、公認会計士になるために会計士の予備校に通おうと考えている方向けに予備校・専門学校の学費・費用の比較を行いました。会計士の予備校の受講料は40万~70万程度と予備校によりかなりの差があり、経済的な負担も大きいため、なるべく安くしたいものです。学習期間、知識レベル、受講形式の観点から各予備校の受講料金を比較しています。


個人的なおすすめは合格率が高い東京CPAか合格者数がトップの大原です。

若い受講生が多い東京CPAも学生の方ならば問題ないでしょう。

とはいえ、高額の自己投資になりますので、最終的には実際に話を聞いた方が雰囲気等もわかりよいかと思います。

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