書類選考に通る公認会計士の職務経歴書と志望動機の書き方

書類選考に通る公認会計士の職務経歴書の書き方 転職のノウハウ

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皆さんは、職務経歴書って書いたことがありますか?
新卒で監査法人に就職した方は、履歴書やエントリーシートは経験があることがあるかと思いますが、転職活動が初めての方は、何を書いていいか実はよくわからない方もいるのではないでしょうか。

今回は公認会計士の職務経歴書と志望動機の書き方についてまとめました。

職務経歴書とは?

簡単に言うとこれまでのあなたの職歴をまとめ、採用担当者にキャリアをアピールするためのプレゼンテーション資料になります。
履歴書だと住所、氏名、学歴、保有資格等フォーマットが決まっておりますが、職務経歴書には企業から指定がない限り、フォーマットは自由です。
書類選考の時には、履歴書以上に見られるので、しっかりと作りこんでおくことが重要です。

なお、手書きかワードがについてですが、手書きを求める会社は私が今までみた限りでは1社(歴史がある企業でした)だけでした。ワードで1回作っておけば、使いまわすことができますので、原則ワードのみで問題ないでしょう。

個人的な感想ですが、手書きを求めてくる会社は、古き良き日系企業の可能性が高く、そもそも会計士になろうという人のマインドと合わない可能性が高いので、慎重になった方がいいでしょう。私は手書きでの提出を求められたら、合わない可能性が高いので、応募は見送るようにしています。

書類選考に通る職務経歴書の書き方

企業の採用担当の方は、何十という履歴書と職務経歴書を目にします。
その中でまず必要なのは、見やすく分かりやすい職務経歴書です。
書式が違っていたり、段落分けがされていない職務経歴書は、その時点で読む気が一気に失せてしまいます。
読み手のことを考えて、何も自分のことを知らない人が読んで、自分のキャリアを理解できるかという視点で読み直してみるか、第3者に見てもらうのが効果的です。

又、長すぎるものは読まれないので、キャリア数年であれば、できればA4 1枚、転職回数が多い方でもA4 2枚程度にとどめておいた方がいいでしょう。
目安としては、転職回数や経験にもよりますが、20代は1枚、30代では2枚、40代以降では3枚程度かと思います。

職務経歴書の形式

一般的な形式としては、
・要約
・職務経歴
・資格・スキル
・自己PR
といった流れになります。

要約

職務経歴を短くまとめたものになります。
面接で自己紹介してくださいと言われたらしゃべる内容になるかと思います。

あまり長くはせず、職務内容を簡潔に記載するぐらいでよいと思います。

職務経歴

簡潔に分かりやすく書くために
・箇条書きで書く
・主語は省略する
・強調したい箇所は太字にする等といった工夫をした方がいいと思います。
特に応募している会社の募集要項にマッチした部分を下線を引いたり、太字にするだけでも書類通過率が変わってきたりします。
特に志望度が高い場合には、エージェントに伝えた方がいいでしょう。

職務経歴書の書き方としては、時系列にまとめたものと職種ごとにまとめたものがあります。
又、時系列で書くにしても古い順に書くか、新しい順に書くかがあります。

特にルールは決まっておりませんが、転職回数が0回~2回ぐらいまでの監査法人勤務の方は、会社ごとに古い順に時系列にまとめた方がわかりやすいです。
監査や経理はどの規模の会社でやっていたかというのも重視されますので。
転職回数が多い方の場合は、どうしても面接する側としては、職歴に目がいきがちなので、会社ごとではなく、担当職務ごとに実際に積んだ経験に着目してもらえるように角度を変えてPRしていくのも手でしょう。
監査の場合はクライアントの名称は書けないので、
①担当社数(累計)
②メインの業種や規模
③担当クライアントが金商法か会社法か、それ以外か、担当業務
監査経験がある方であれば、ざっくりとした説明で理解できますが、面接官が監査経験がある方のケースは少ないです。
できれば具体的に「米国会計基準に基づくReporting Packageの監査」、ビッククライアントで担当が細分化されている場合は、「退職給付会計、税金の監査を担当等」記載した方がいいでしょう。
又、関与時間が多いメインクライアントは、詳細に書いて、サブやヘルプのクライアントはその他としてまとめて記載した方がすっきりとするでしょう。
④主査をやっている場合はその旨
⑤マネジメントの経験があれば、部下の人数
等を記載して、見る側が具体的なイメージを持てるかが重要です。

業界ごとに特有の会計処理があるので、担当している業界を志望している場合には若干アドバンテージになりえます。
インチャージを経験している場合は、必ず記載しておきましょう。
監査法人は同じ人でもチームごとに役割が違うので、記載する必要があるでしょう。
又、DDやIFRS導入支援、IPO支援業務等の非監査業務を経験している場合は、プラスに評価されるので、書いておいた方がいいでしょう。
どのようなことをやってきたのか具体的にわかるように記載するといいです。
例えば、IFRS導入支援であれば、
・どのような業種のIFRS導入に関わったのか、規模がどの程度か(特定されない範囲内で)
・どのような業務に関わったのか(導入計画の策定、スケジュール構築、GAAP差異分析のアドバイス、連結パッケージ作成支援、開示影響調査、財務諸表影響調査、IFRS調整仕訳作成支援、グループ会計方針策定支援等)色々と具体的に書けると思います。
最近だと事業会社の経理部に出向して、社員と同様に働いている方も増えています。
実際に作る側に近いことをしていたということは監査経験のみの会計士との差別化要因になります。

又、書類選考は、人事と現場の2段階で行われることも多く、まず人事部門の担当者が目を通すことが多いです。
人事担当者は、現場部門の担当者に比べると細かい業務内容に精通していないことが多くなります。
そのため、人事担当者にもわかりやすくキャリアを書く必要があります。
求人票の応募条件を満たしていることがわかるように求人票の応募条件にあるキーワードを使うとで人事担当者にも一目みただけでどの応募要件を満たしているか伝えることができます。

資格・スキル

公認会計士を記載する場合は、
既に開業登録している場合は、登録日
まだ登録しておらず、修了考査にも合格していない場合は、公認会計士試験合格者
と記載することになろうかと思います。

開業登録をしたが、事業会社に転職して現在は開業登録をしていない場合は、修了考査合格年次を記載するか、現在は公認会計士登録していない旨、記載した方がいいでしょう。
又は、面接中に口頭で補った方がいいでしょう。
その他、エクセル、ワード、パワーポイントのスキルを書くのが一般的です。

自己PR

自己PRは、必須項目ではありませんが、意欲や熱意を伝えるには有効な手段です。
会社によっては、入社志望動機書が別途求められることもありますが、求められずとも短いものを職務経歴書につけるとよいでしょう。
志望度が高い場合は、別途用意した方がいいでしょう。
特にポテンシャル採用の要素もある20代~30代前半の方の場合や他の職種にキャリアチェンジする方の場合には重要になってきます。
・なぜこの職種を希望するのか
・同業他社と比較してなぜこの会社を選んだのか
の2点が作成する際には重要なポイントになります。

転職の際の志望理由が思い浮かばない?

会計士の場合はなぜその職種を希望するのかについては、結構書けるのですが、なぜこの会社を選んだのかについては弱い傾向にあります。
会計士は、何ができるかスキルベースでアピールして、志望理由が弱いという理由で落とされるケースも多いです。
転職者が絶対にほしいスキルを有している場合は、志望理由について細かく聞かれることがないケースもありますが、特定のスキルにこだわるわけではなく募集しているケースの場合やポテンシャル採用する場合は、都合が悪いことが起こったときにすぐに辞めないか見る意味で、志望理由を確認されます。
特に事業会社で総合職採用の場合は、異動の可能性もあり、あまりに職務ベースの志望理由を全面に出すと、希望と違う職務になったら辞めるのではないかと懸念されるケースもあります。
本当は、ある経験を積みたいだけだとしても、同業他社と比較してなぜこの会社を選んだのかについては、企業ごとに少しずつ文言を変えた方が通過可能性は高まります。

冷静に考えれば、特定の企業でなければ絶対だめということはあるはずはないのですが、面接は自分という商品を売り込みに行く場所です。
本音ではなくともなぜこの会社でなければならないのかということを所与の情報から組み立ててもっともらしくすらすらと説明する能力を試されていると思えばよいのではないでしょうか。

ホームページや決算説明資料、有価証券報告書を読んでいくと、展開している事業や企業の歴史、採用している会計基準、海外売上比率、子会社の数等会社ごとに特徴が読み取れるので、それを元に展開していくとよいでしょう。

職務経歴書を書くことでキャリアの棚卸になる

転職活動をなんとなくしようかなと考えている方でまだ実際に活動していない方でも職務経歴書を書くことは、これまでの自分のキャリアを整理し、自分のコアスキルを再認識しこれからのキャリアを考える上で有用です。

市況がよく、人不足の内は特に将来のキャリアを意識せずに働いている方も多いのではないでしょうか。
若い内はそれでもいいかもしれませんが、その内、マネージャー、シニアマネージャーで30代後半ぐらいになってきて、パートナーになれるかどうかがリアルにわかってきたときに意識的にキャリアを積み上げてきた方と漠然と振られた仕事をこなしていた方では大きな差がついています。
その時に後悔しても既に遅く、不本意な転職をする方も見てきています。

職務経歴書を書くことで自分のキャリアを並べてみるだけでも頭の整理になりますし、自分のキャリアを他人に的確に伝えられるかを確認することができます。
自分に何が足りないのが、客観的にみて自分のキャリアに魅力があるのかある程度わかります。
又、エージェント等の第3者に見てもらうこともできます。

職務経歴書のサンプルは、各転職エージェントにあり、無料でダウンロードして使えます。
特にMS-JAPAN の職務経歴書フォーマットが使い勝手がよく他のエージェントでも使いまわしていました。

公認会計士のおすすめ転職エージェント6選
転職エージェントが多数あってどれを使えばよいのかわからないという会計士向けに、転職活動した際の経験を踏まえて公認会計士のおすすめ転職エージェントを紹介したいと思います。総合型の大手と専門型のエージェントの違い、おすすめの転職エージェント、エージェントの選び方、注意点について解説していきます。

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