税理士法人の移転価格部からの転職先とその後のキャリア

税理士法人

移転価格部門で経験を積んだ方のキャリアとして、税理士法人で移転価格のキャリアを積んでいくケースもありますが、やはりプロフェッショナルファームですので、順調に昇進している間はいいものの、昇進が詰まってしまうと居づらくなるケースはありますし、多くの方が転職することになります。
転職を考える場合、ニッチな分野の転職の定めでもありますが、移転価格税制のキャリアを次に活かすとなるとかなり直接経験を活かせる領域は限定されてきます。
ただ、
・クライアントは海外へ進出している企業が多く、報酬水準が高めになる点
・記帳代行や申告業務がAIに代替されていく可能性が高いのと比較して、白黒がつけにくい分野ですので、必ず人間がやる仕事が残る領域である点
が魅力として挙げられます。
そのため、移転価格の経験を直接活かせる分野は限られますが、その価値がある分野になります。
又、内製化は徐々に進んではいるものの、東南アジア等整備途上の国も多く、税制にも動きがある分野でもあるので、専門家の需要は拡大していく傾向にある領域であると思います。
今回は、税理士法人で移転価格のキャリアを積んだ後の転職先について考えました。
転職先としては、大きく分けて
・同業他社の大手税理法人の移転価格アドバイザリー
・準大手の税理法人で移転価格を含めた税務アドバイザリー
・事業会社(グローバル企業、外資系日本法人)
等が考えられます。

他の大手税理士法人の移転価格税制部門

やはり一番パターンとして多いのが他法人の移転価格税制部門への転職です。
特にディレクタークラスで中々上が詰まっていてパートナークラスになれない場合、他法人への同職位で給与アップをした上で転職をされる方が多いです。
移転価格の専門家の数は少ないため、引き合いが強く、同職位でも給与アップでの転職は可能な状況です。
特にクライアントから信頼を得ていて、元の法人から移籍して、当時担当していたクライアントを獲得できた場合は、パートナーへの道がグッと近づくため、そのような点を狙って転職する方もいるようです。

準大手・中堅税理士法人の移転価格税制部門

準大手で移転価格を扱っている税理士法人や会計事務所へ転職する方も見られます。
給与水準としては落ちるケースが多いですが、大手だと移転価格税制部門だとほぼ移転価格税制しか関わることができないので、他のM&AやIFRS導入といった分野にも業務分野を広げてみたい方の転職が見られます。
ただ、残念ながら中小規模の法人は、クライアントの規模が大手よりも劣るため、同職位であれば収入が下がるケースが多いです。
移転価格専門の法人の場合は、給与を維持できるケースもありますし、又これまで別の分野をやってきた法人が移転価格部門を新規で立ち上げる場合は、経験がある方がどうしてもほしい状況にあるので、責任者として給与アップが見込めるケースもあります。

グローバル企業の移転価格部門

大手企業の中には税務戦略を重視していて、移転価格専門の部署がある企業もあります。
専門部署がある企業は数としては多くはありませんが、例えば企業が移転価格の文書化等に取り組む場合、最初は自社だけではできないので、外部の専門家(大手税理法人)に外部委託するケースが多いです。その後の更新は自社で行い、レビューだけを税理士法人に依頼するクライアントもあります。
その場合は、転価格コンサルティングをやっていた人が事業会社に移り移転価格を担当するということもありえますし、Big4で移転価格の経験がある方が安心感があり、好まれる傾向にあります。
移転価格だけをやるというよりも海外子会社含めた国際税務対応、海外拠点指導、移転価格税務調査への対応、APAや相互協議の推進やTタックス・プランニングの企画、推進を中心に幅広く経験することができます。
又、部署として分かれているケースは少なく、希望すれば、国内税務にも関われるケースが多いです。
やはり、移転価格は歴史が浅い分野であり、十分な経験がある方が一般税務に比べると少ないため、供与水準も高めにでる傾向にあります。
例えば、総合商社等はグローバルに展開しており、報酬水準も高い業種として人気があります。
又、メガバンク等の金融も移転価格対応を重視しており、求人はちらほら見かけます。
後は、海外に展開し始めて移転価格対応をこれから始めようとしている中堅のメーカーの求人も見かけますが、給与水準が低めであまり魅力を感じないケースが多いです。

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外資系の日本法人のファイナンスポジション

移転価格だけをやりたくない方、経理周りも幅広くやってみたい方で報酬を下げたくない場合は、外資系企業の日本法人でマネージャーや財務責任者という選択肢もあります。
特に日本の税制を知っており、英語ができて、かつ移転価格対応もできる人材は多くはないため、希少性があり、年収水準は高水準を狙えます。
又、日系企業よりも公認会計士やUSCPA等の資格を評価する傾向にあります。

又、上司が海外となる場合は、かなり自由が利く、勤務体系をとることができるケースもあり、大手日系企業が窮屈と感じる方にはおすすめできるポジションです。

移転価格の求人を扱う転職エージェント例

移転価格の領域自体がニッチな領域ですので、移転価格分野専門のエージェントの方は、見かけたことがありません。
ただ、やはり通常の大手エージェントよりも会計士専門のエージェントを使った方が移転価格に関連する求人数があり、転職支援の経験もあるエージェントの方が在籍しているため、他の方の転職例等も参考にでき、おすすめできます。

何点か移転価格の求人を扱っている転職エージェントを挙げます。

マイナビ会計士

大手エージェントマイナビが会計士専門の支援部署を立ち上げております。
求人としては、大手税理法人や中堅税理法人の移転価格アドバイザリーの求人を中心に扱っています。

又、マイナビ会計士の特徴として事業会社の転職に強いという特徴があり、求人数としてはあまり表にはでないものの、大手事業会社で移転価格を扱いたい方は登録しておくとよいでしょう。

MS-JAPAN

会計士等の士業と管理部門専門の転職エージェントです。
MS-JAPANも大手税理法人や準大手の税理士法人の求人は、網羅的に扱っていますし、金融等の大手事業会社の求人も扱っています。
事業会社の求人の総数では、私が調べた時点では最も多かったです。

ジャスネットキャリア

ジャスネットも会計士等の士業と管理部門専門の転職エージェントです。
こちらはどちらかというと中堅メーカーの求人等企業規模が小さめな求人を扱っているエージェントです。エージェントの規模も他と比べると小規模で、親身にサポートしてくれます。
小さい会社で幅広くやってみたい方は登録してみるとよいでしょう。

JACリクルートメント

会計士専門のエージェントではありませんが、経理等の管理系職種に強いエージェントです。
外資系の求人は上記3つだと手薄になるので、外資系の事業会社で移転価格経験を活かした求人を探している場合は、登録するとよいでしょう。

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